6月21日産業動物獣医師を対象とした北部九州しゃくなげ会が開催されました。
講師は2人の先生でしたが、講演の内容は最高でした。
1人は石井動物病院の石井一功先生で、直腸検査にエコーを使い、妊娠診断や卵巣の検査をするお話です。
人間の女性の場合はじっとしていてくれますので、プローブをあてるだけで
エコー検査が出来ますが、牛の直腸の中ではそうは行きません。
直腸を介して子宮や卵巣にプローブをあてるのですが、便も有りますし、腸の運動が有るので、いつまでもプローブをあててる訳にはいきません。
それに、子宮を反転させて検査をしますので、とても不安定な状況なのです。
しかも検査を受ける牛が何十頭もいますので、ゆっくり時間をかける訳にはいきません。
一頭に一分あまりで、仕事をこなしていくと言われてましたが、すごいですねー!

もう一人は岩手大学の村上賢二先生で、牛白血病についてお話をして頂きました。
牛白血病を発症する牛が最近増えています。発症しなくても抗体陽性の牛はたくさんいると
言われていますので、農家にとっては大変悩ましい病気なのです。
ただし、牛白血病は人には感染しません。牛肉を食べても牛乳を飲んでも大丈夫なのです。
しかし、発症すると牛は助かりませんので農家にとっては損害は大きい。
しかも抗体陽性牛が多いほど発症率は高くなるそうです。
牛白血病がどういう病気なのか、農家での感染予防方法など話して頂きましたが、
抗体陽性牛でも肉として出荷出来る事、牛乳も出荷出来る事を、はっきりと断言して頂きました。
大変心強かったです。

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