朝晩の冷え込みが強くなってきました。収納の奥にしまってある電気ストーブを引っ張り出し、少々鼻水が出ても何かのアレルギーだと信じ毎日過ごしています。

冬は部屋の加湿と免疫力の維持が肝要だと思っております。

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詳しくは病院スタッフへお問い合わせください。

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さて、今回は避妊・去勢手術に関してのコラムになります。

生まれたての子犬や子猫はすごくかわいいです。しかし、繁殖する予定のない方の多くは去勢や避妊手術をいつ行うのか、行うべきなのか迷われると思います。

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まず、去勢手術(♂の子)を行うと発症のリスクを抑えられる病気があります。

<犬の場合>

・加齢に伴う前立腺疾患

・会陰ヘルニア(肛門の近くの会陰部の筋肉などの隔壁が弱くなり肛門の周りが膨らんできます)

・肛門周囲腺腫(肛門や肛門の周りにできるしこり)

・精巣腫瘍

また、行動的な面では足を挙げてのおしっこが防げる場合があります。

猫の場合はスプレー行動(縄張りを主張するためおしっこを壁などに飛ばすこと)が抑えられ性格も穏やかになる場合があります。

行動的問題は一度習慣化してしまうと手術を行っても変化が得られない場合もありますので、当院では約8ヵ月齢での手術をおすすめしています。

 

避妊手術(♀の子)を行うと抑えられる病気もあります。

<犬の場合>

・乳腺腫瘍

・卵巣子宮疾患(よくみられる疾患として子宮蓄膿症があります)

また、発情による出血や体調の変化はなくなります。犬の乳腺腫瘍は確率的に約50%が悪性と言われています。一方、猫の場合は8~9割が悪性となります。猫の場合も乳腺腫瘍を抑えることができますが、いずれも避妊手術を実施する時期によって予防効果が変わってきます。もちろん、去勢や避妊手術は望まれない繁殖を未然に防ぐという意味合いもあります。

 

反対に手術のデメリットとしては

・太りやすくなる(食事の摂取量を1~2割減らしてあげることで肥満を防ぐことができます)

・全身麻酔(リスク低減のため術前の検査をおすすめしています)

などが挙げられますが、詳しくはご相談ください。

以下に手術の実施時期と乳腺腫瘍の予防効果のグラフをあげます。これから手術を検討されている方の参考になれば幸いです。

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参考文献

Factors influencing canine mammary cancer development and postsurgical survival.

Schneider R, et al. J Natl Cancer Inst. 1969.

Progestagens and mammary tumours in dogs and cats.

Misdorp W. Acta Endocrinol (Copenh). 1991.

Association between ovarihysterectomy and feline mammary carcinoma.

Overley B, et al. J Vet Intern Med. 2005 Jul-Aug.