こんにちは獣医師の阿波です。桜が満開となっております。(投稿時)

お花見シーズンですが皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

 

 

ニュースで花見をしながら飲食をされてる映像を見るたびにうらやましいな~と思う今日この頃です。

 

花より団子とはよく言いますが、動物たちはほとんどそうではないでしょうか?

動物たちの場合は普段食べないものを食べるとお腹を壊してしまうことがあるので、お食事の際にはご注意ください。

さらに!わんちゃんの場合は団子と一緒に竹串を飲み込んでしまう可能性があるので、十分にお気をつけください。(実際に見たことがあります。)

 

 

 

 

さて今回は犬・猫の認知症について分かる範囲で投稿させて頂きます。

というのも、動物たちにおいてはまだまだ解明されてない部分も多いからです。

高齢になってくると今の状態が病気によるものなのか老化によるものなのか、はっきり区別できない症状がたくさんあると思います。

例えば……

そーいえば、最近うちの子呼びかけても反応がないな~ とか、

シニア犬

 

そーいえば、うちの子グルーミングあまりしなくなったな~ とかあると思います。

くつろぐ猫

 

 

 

人間の場合、認知症の原因としてはアルツハイマー病が最も多いとされています。その他の原因としては血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあげられます。

(参考URL:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html

 

診断は

・病歴や身体所見

・認知機能のインタビュー検査

・画像検査・・・CT、MRI、SPECT(脳血流シンチグラフィ)、PET(ポジトロン断層撮影)

などの結果を総合的に判断となるようです。

また、血液や尿、レントゲン検査などの一般検査もその他の原因診断や合併症の評価をする上で必要とされます。

(参考URL:https://www.ninchisho-forum.com/knowledge

 

 

 

 

犬・猫の認知症(正確には認知機能不全症候群)の定義は、脳の老化に関連し、脳の変化が認知レベルの低下、刺激に対する反応の低下、学習能力の低下、記憶能力の低下を認めるものとなっています。

またその傾向としては

国内では日本犬系に多い ⇔ 海外ではヨークシャーテリアに多い

・11-12歳の犬の約28%、15-16歳の犬の約68%が1つ以上の認知低下が認められる

・11-14歳の猫の約30%、15歳以上の猫の約50%が何らかの行動変化が認められる

などの報告があります。

(参考文献URL:https://confit-fs.atlas.jp/customer/acrf35/pdf/Lc2-5.pdf

 

 

 

 

動物の場合、明確な診断基準というのはありませんが、人間の診断と同じようにまずは問診が大事となります。

その子の症状・病歴などを聞いたうえで身体検査・神経学的検査を行います。

その上で類症鑑別診断のために血液検査や尿検査、内分泌検査、画像検査(相談に応じてエコー・レントゲン~CT・MRI)などを行っていきます。

実際は費用的な面もありますので、どこまでやってあげるかというのは飼い主様と相談しながらになります。

 

 

 

 

そこでまずやって頂きたいチェックリストがあります。

脳

□ 昼夜が逆転する

□ 夜鳴き、一本調子の大声で鳴き続ける

□ 呼びかけても応えない

□ トボトボと歩き続ける、徘徊する

□ 前進するが後退しない

□ 狭い場所に入ると出られない

□ 無気力になっているように見える

□ 家庭でのしつけを忘れる(トイレ行動など)

 

 

 

 

これらの行動上の変化は認知症の際に認められます。

他の疾患でも同様の症状がみられることもあるので類症鑑別は大事ですが、上記のチェックリストで当てはまる項目が多いほど認知症の可能性が高くなります。

 

 

 

 

 

いわゆるシニア期(7歳~)以上の年齢の子でチェックリストに当てはまる項目がある場合には、一度相談して頂いたほうがいいかもしれませんね。

 

認知症の対策として大事なことは異常な行動に早く気づくことです。しかし、日々一緒に過ごす中で少しずつ変化していくことには気づきにくいものです。

年齢がシニア期に入ってきましたら、時々行動の変化をチェックしてあげてください。

 

 

参考書籍:犬と猫の老齢介護エキスパートブック Senior care for dogs and cats

 

広告