こんにちは獣医師の阿波です。

 

フィラリアの予防シーズンですが、お薬を処方する際には体重測定が不可欠です。

いざ測ってみると、飼われているワンちゃんの体重にビックリ(*_*;という方がちらほらいらっしゃいます。

そして、ダイエット頑張ってるんだけどなかなか体重が減らない、もしくはどうしてもおやつあげちゃうという方もたくさんいらっしゃいます。

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まずは動物たちの体型を評価していきましょう!

その子が太っているかそうでないかは、ボディコンディションスコアというものがありますので病院でもそれを用いて評価します。

Hill’s社の分かりやすい表がありますので以下を用いて評価してみてください。

◎犬のボディコンディションスコア

◎猫のボディコンディションスコア

 

 

 

いかがでしょうか?

体重だけの評価ではその子によって体格はいろいろなので、正確な評価は出来ません。

体重とボディコンディションスコアを合わせて評価してあげてください。

 

 

ボディコンディションスコアが3だったという方は、ダイエットする必要はありません。

これからもその体型を維持してあげられるように継続してコントロールしてあげてください。

 

 

 

ボディコンディションスコア3未満だったという方は食事の量を少し増やしてあげた方がいいと思いますが注意点があります!

・スコアが1の場合なんらかの疾患を抱えている可能性もあります。また病気ではなくてもスコアが1であれば飼い方に問題がある可能性もあるので一度病院にご相談ください。

・スコアが2の場合も飼い主様が意識してその体型を維持されているのでなければ、何らかの疾患を抱えている可能性があります。受診を検討されてください。

・健康上問題が無ければフードを増量していきますが急にドカッと増やさないでください。

・まずは、いままでの給餌量が適正であったかを確認してください。適正だけど痩せている場合は、1割くらいを増量してボディコンディションスコアが3に近づいていくかを評価してください。(給餌回数は1歳以上であれば1日2回をおすすめします)

 

 

ボディコンディションスコアが4以上だったという方はダイエットをおすすめします。

まずは、健康に対する肥満の影響を考えていきましょう。

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人間の場合は肥満と関係する病気として、

糖尿病・脂質異常症・高血圧・痛風・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脂肪肝・月経異常・睡眠時無呼吸症候群・膝痛・腰痛・肥満関連腎臓病

などがあげられます。

 

 

犬の場合は、

口腔内疾患、膵炎、胆汁うっ滞、内分泌・代謝異常(糖尿病、高脂血症、脂肪肝、肝臓障害、性周期異常、免疫・抵抗力の低下)

などがあげられ、皮膚の感染症(細菌や真菌)も多くなります。

それ以外にも特に短頭種の犬種で症状が出やすいですが、気道の閉塞による呼吸障害気道疾患のリスクが高くなります。さらに、腰や肘・膝にも体重の負荷がかかるので運動器疾患のリスクも高くなり、変形性関節症の罹患率が高くなることが分かっています。

また、猫では肥満によって膀胱炎便秘のリスクも高くなります。

 

 

 

このように、肥満があると健康上様々な悪影響が問題となります。

それは分かってるけど、なかなかダイエットできません(´;ω;`)という方は、目標をまず設定してみましょう。

 

人間の場合、20歳のころから体重が何kg増えたか質問され、増えた分の体重はもしかしたら体脂肪かもと考えることもあるようです。

犬や猫の場合、おおよそ1歳が人間でいう20歳前後になります。1歳ごろの体重は何kgでしたか?

肥満が重度の子では体重が2倍くらいになってしまってることもあります。

 

 

肥満している人は体重を5%減量させることで、代謝異常の改善が期待できます。

減量過程の期間の目安は3ヵ月です。

まずはメモ帳を用意して以下の3つの数字を書いてみてください。

①いまの体重

②3か月後の目標体重(いまの体重×0.95)

③理想体重(1歳時の体重)※1歳のころ既に肥満があった場合は当てはまりません

 

 

 

体重目標が設定できましたら以下の方法をチャレンジしてください。

  • おやつをなくす

これだけでダイエットできる場合もあります。

そのおやつ1つが動物にとってはハンバーガー1個分のカロリーになっちゃうこともあります。

  • ダイエット用フードに切り替える

病院での療法食をおすすめします。(種類がたくさんあるのでサンプルで嗜好性を確認)

目標体重と給与量の確認をして、フードの切り替えはゆっくりと行ってください。(目安:2~3週間かけて少しずつ混ぜる割合を増やしていく)

  • ご飯を減らす

ダイエット用フードを食べてくれない場合は、現在のフードの量を調整します。

この場合も目標体重と給与量の確認をして、計測も出来ればデジタルの秤でしっかり行います。

現在の給与量と目標体重の給与量があまりに離れている場合は、1~2割程度の減量をゆっくり行ってみてください。減量後問題なければその量を維持して体重の減少やボディコンディションスコアの改善がみられるかを、随時チェックしていきます。(この場合も3カ月かけて5%の減量が目安です)

  • 運動量を増やす

動物の場合運動量を増やすだけでダイエットというのは非常に難しいです。猫に関しては運動量を増やすということ自体が困難と思われます。

そのため基本的には食事のコントロールがメインと考えてください。

 

実際の歩数1

左の図は第14回日本獣医内科学アカデミーにおける左向敏紀先生と坂根直樹先生の講演内容の一部抜粋ですが、人間で推奨されている一日の歩数8500歩に相当する歩数を犬がどれだけ達成できているかのグラフです。

体格の大きさに関わらず半数以上の症例で目標歩数に達していなかったとのことです。

 

目標歩数1

こちらの図は人間における一日の目標歩数に相当する歩数が、犬の場合何歩になるかが示されています。

犬の歩数を計測するのは困難と思われますが、一度歩数計をつけて一緒に散歩してみるといいかもしれませんね。

注:運動量を増加させる場合は、その子の運動耐性に合わせて開始してください。

 

 

 

人間のダイエットは誘惑もたくさんあるでしょうから大変だと思います。動物たちの場合はご飯を管理しているのは本人たちではなく飼い主様です。

どうしてもかわいいからという一種の誘惑はあるかもしれませんが、肥満が進行してしまうと結果的にその子たちを苦しめてしまうかもしれません。

是非ダイエットが必要だと思われた方はチャレンジしてみてください^^

 

 

最後にお伝えしたいことがあります。

坂根先生(人間のお医者さん)の講演の中で人間の場合は減量に成功する要因として

・ダイエット法は関係なかった

今回は本気だった

・生活環境の変化(異動、引っ越し)

というお話がありました。

ダイエットが必要な皆様、今回は本気でダイエットに取り組みましょう!

 

 

 

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