こんにちは獣医師の阿波です。

今年も残すところ1ヵ月となりました。年末に向けて慌ただしくなると、起こりやすいのが家庭内での誤飲誤食!(;^_^Aということで

今回は家庭で起こるかもしれない動物たちにとって危険な中毒をご紹介いたします。

家中毒

 

動物が中毒を起こすものは人間が食べても問題ないものや、人間であればまず食べないだろうというものまで様々です。

ご自宅に動物たちの手や口が届きそうな場所に中毒因子が隠れてないか是非チェックしてください。

 

 

①チョコレート

黒チョコ

チョコレートはどのご家庭にも一つや二つあるのかなと思いますが、チョコレートの中に含まれているカフェイン・テオフィリン・テオブロミンなどのメチルキサンチンアルカロイドが原因となります。

中毒量は左のような板チョコ(ブラックチョコレート)で換算すると….

犬:急性致死経口投与量は体重1㎏あたり0.4枚(6ピース)、軽度な異常はその約1/5量でも発生する可能性がある

猫:急性致死経口投与量は体重1㎏あたり0.3枚(4.5ピース)、軽度な異常はその約1/4量でも発生する可能性がある

 

一般的にミルク・ホワイトチョコレートの方がメチルキサンチンの含有量は少なくなります。

症状としては、

高体温・興奮・反射亢進・尿失禁・嘔吐・下痢などがみられ、重度の場合は硬直や痙攣が生じ命にかかわる状態になることもあります。

 

 

②キシリトールガム(犬)

 

キシリトールガム

こちらも家に置いているという方多いんじゃないでしょうか?ボトルが開いてて床に散らばったり、甘い匂いがするので銀紙ごと食べてしまうかもしれないですね。

犬においてキシリトールは食べた後急速に吸収され、インスリンの分泌を促進します。その結果低血糖を起こし、重篤な場合死に至ることもあります。

中毒量は…

犬:低血糖は体重1㎏あたり1/5粒、肝障害は1㎏あたり1粒でおこる可能性がある

症状としては、嘔吐・嗜眠・運動失調・虚脱・痙攣発作などがみられます。

 

5㎏のワンちゃんであれば1粒食べると低血糖を起こす可能性がありますので注意が必要です!

 

 

③ブドウ(犬)

ぶどう2

ブドウは意外とご存知ない方多いかもしれないですね。しかも、生のブドウに比べてレーズンの方が中毒症状が出やすいようです。

機序や原因物質は不明なことから摂取量に関わらず注意が必要と考えられます。

中毒量は…

生のブドウで体重1㎏あたり32g、レーズンで3~36g/kg

生のブドウは粒が大きいもので約6粒で中毒量となり、レーズンは約6粒で3gに達します。

 

症状としては、

摂取後6~12時間で嘔吐が認められることがあり、その他下痢・食欲不振・腹部痛・元気消失などがみられます。

摂取から48時間以降では急性腎不全を発症し、重篤な場合死に至ることがあります。

 

是非、ブドウは動物たちが届かない安全な場所でお召し上がりください。

 

 

 

④ユリ(猫)

ユリの花

観賞用として置いている方も少なくないと思います。テッポウユリ、オニユリ、アジアユリの3種類のユリ属が猫に対して高い毒性があります。

主な毒性成分は不明であるが、猫が摂取した場合急性腎不全を引き起こして死に至ることもあります。

 

明らかな中毒量は不明ですが、1枚のユリの葉のごく一部を噛んだ猫でも腎毒性が確認されているようです。

 

症状としては、

摂取後3時間ほどで嘔吐・食欲不振・元気消失・多飲・多尿~乏尿・発作などが認められ、ある報告では摂取した猫の33~50%において急性腎不全を発症しています。

 

 

 

⑤不凍液(エチレングリコール)

不凍液

車のエンジンの冷却水に用いられたり、アイスノンなどにも入っています。

エチレングリコールは甘い匂いや味がするため、犬や猫が誤って舐めてしまいます。アイスノンはかじったりすることで中身が出てきてしまいます。

エチレングリコールは非常に毒性が高く、代謝物が腎尿細管上皮を障害し急性腎不全を引き起こします。

 

少ない量でも中毒を起こす可能性が高いので、これから冬に向けて不凍液の取り扱いには十分注意が必要です。アイスノンも冷凍庫でも凍らないタイプは含有量が多くなりますのでご注意ください。

症状としては、

摂取後30分~12時間で、流涎・嘔吐・食欲不振・沈うつ・運動失調・眼振・酩酊・多飲・多尿~乏尿などが認められ、急性腎不全へと進行し重度の場合は死に至ることがあります。

 

 

 

以上意外と盲点になりやすのかなと思う中毒性物質をご紹介させていただきました。

(参考文献:CLINIC NOTE, 154)

 

 

この他にも、

・タマネギ(ニンニク・ニラ・ネギなどのネギ類も含む)・・・溶血性の貧血

・農薬、ナメクジ殺し・・・神経症状

・ホウ酸団子・・・肝臓、腎臓障害

・殺鼠剤・・・止血異常

・ヒトの医薬品・・・種類により様々

などがあげられますがここでは割愛させて頂きます。

 

 

 

ご自宅に潜んでいるかもしれない中毒物質を今一度ご確認して頂き、動物たちが中毒を起こさないように十分注意して取り扱ってください。

もし、万が一食べてしまった場合には、出来るだけ早く病院へ連れてきてください。その際には食べたであろうものを一緒に持ってきてください。

 

 

それでは12月に入ると慌ただしくなると思いますが、皆様自身の体調にもお気を付けてお過ごしください^^

 

 

 

広告