こんにちは獣医師の阿波です。

緊急事態宣言が解除されましたが第2波も懸念されておりまだまだ油断できない状況です。

アフターコロナと安心して言える日が来るように感染予防しっかりとしていきましょう。

 

 

さて今回はわんちゃんの寿命に関連する危険因子についての興味深い報告がありましたのでご紹介させて頂きます。

特にわんちゃんのお口のお手入れ頑張ってらっしゃる方には朗報かもしれません。

アメリカのシルヴァン・R・アーファー氏らが約237万頭の犬を対象に、犬の寿命に関するリスク因子の大規模な研究を行いました。

Silvan R. UrferDVMMansen WangPhD, MSMingyin YangBVMS, MSElizabeth M. LundDVM, MPH, PhDSandra L. LefebvreDVM, PhD
この研究では体格や犬種、避妊去勢の有無ならびに歯科スケーリングと寿命との関連性が評価されました。
早速データを見てみましょう。
<体格ごとの寿命>
体格
<避妊去勢の有無と寿命>
避妊去勢
寿命は体格ごとに有意に異なり、避妊去勢手術している犬はしてない犬より有意に寿命が長くなりました。
なお、雑種犬の寿命は14.45歳で純血種の寿命(14.14歳)よりも有意に長くなりました。
また、年1回のスケーリングは死亡リスクを18.3%低下させることがわかりました。
<スケーリングの有無と死亡リスク>
スケーリング
歯周疾患は口腔内だけの問題ではなく、心臓、肺、肝臓、腎臓など様々な病気と関連していることが分かっています。
年1回のスケーリングというのは現実的にはハードルが高いかもしれませんが、少なくとも口腔内環境を衛生的に保つということは寿命を延ばすといっても過言ではありません。
ただし、きちんとしたお口のケアをしないとそれが歯の健康に悪影響を及ぼすこともありますので注意が必要です。

 

歯石がついているということは歯周炎の始まりです。
スケーリングというのは歯の表面だけパキパキ歯石をとることではありません。すべての歯の全周および歯周ポケットの歯垢や歯石も取り除きます。
そして歯の表面を磨き上げます。
その後はお口の健康を維持するためには在宅でのお口のケアが重要となります。
当院では7月から歯科処置のキャンペーンも始まります。
お口のケアやスケーリングについてのご相談お待ちしております。
愛犬と一日でも長く暮らすために
デンタルケアを始めましょう!!・・・デンタルケアのすすめ ポスター