異物の誤飲と言うのはフード以外の物を食べてしまう事で、時には、手術でお腹を開けて、胃や腸を切開して異物を取り出さなければならない事もありますし、有毒なものの場合、中毒を起こして命を落としてしまう事もあります。
今回は、4歳のラブラドール・レトリーバーですが、「靴下を食べたみたいです」という事で来院されました。
飼い主さんは、片一方の白い靴下を見せながら、「昨日、洗濯をして、今日、無くなっているのに気づいたんです。探したけど見つからないので、犬が食べたに違いない」と言われます。そう言われるのも当然で、この犬は過去に5回、うちの病院で催吐処置をして、手袋や靴下を吐かせた経歴があるのです。
早速、注射をして吐かせてみたら、やはり、靴下が出てきました。
胃の中に、まだ有ったから良かったですね。
この犬は、その他にも布切れやプラスチックのおもちゃ、化粧品の紐などが、後日、便に混じって出てきたという事があって、しばしば、異物を食べるのです。
幸いに、手術してお腹を開けるまでには至っていませんが、大人になっても異物を食べるという癖は治りません。
フードもちゃんと貰ってるのに、何故、異物を食べるのでしょうか
一番は環境ですね、人と同じ生活空間(家の中)に居ることが最大の原因でしょう。
それと、ワンちゃんやネコちゃんも、見てると、寝ている時間が多いですよね。多分、退屈してると思います。そこで、近くに口にするものがあると、舐めたり、齧ったりしているうちに食べてしまうのでしょう。
いづれにしても、手が、いや口が届く場所に、食べたら危険なもの、あるいは食べそうなものは置かない様に気を付けましょうね。
焼き鳥の串が付いたままを食べたとか、骨付きの肉を食べたとか、そういう話を耳にすることがあります。常日頃から、人間が食べるものは与えない様にしましょう。バーべキューなどご馳走を食べる時はくれぐれも注意してください。

